一般社団法人 大山観光局×東京カメラ部

「私の大山」フォト&エッセイコンテスト2025 ~写真と言葉で綴る“大山さん”への想い~

作品提供:Takashi Karaki氏

審査結果発表

2025年11月13日 から 2026年1月4日まで開催した
「私の大山」フォト&エッセイコンテスト2025 
~写真と言葉で綴る“大山さん”への想い~ へ
たくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。
素晴らしい作品の中から選ばれた受賞作品をここに発表いたします。

最優秀賞

最優秀賞 nAoさんの作品「山嶺の囁き」

「山嶺の囁き」nAoさん

県東部に住む、幼かった私にとって約70km離れた大山は、そう近い山ではありませんでした。

当時山陰道は無く、下道をダラダラとちょっとした旅気分で向かったものでした。

毎回前泊で、野営地は下山キャンプ場!

メンバーは、私と妹そして父。

夜明けと共に登山開始。

そんな大山登山を中学卒業の頃まで続けてました。

目の前の事しか見えない私は、山を歩く度によく叱られたものだから、私自身は大山はそんなに好きな山ではなかったなー。

そんな父が他界して5、6年経った頃、趣味でカメラを始め、風景写真を撮るうち、たまたま見かけた厳冬期の大山剣ヶ峰の写真。

「こんな大山、まだ見た事ない!」

その一枚に導かれるように再び大山を登り始めました。

スポーツをやっていた学生時代の体とは雲泥の差。

一歩一歩が本当に重くて本当に冬登れるのか不安しかありませんでした。

そんな時、中学時代の同級生や釣り仲間等、色んな友人が登山をしていて、冬山を経験済みだったり今季挑む人も。

そんな友人達と無雪期から徐々に登り始め、初めて目にした冬の大山剣ヶ峰!

強風で立つ事もままならない山頂でその峰を見た瞬間、
吹き荒れる風の音も、

舞い上がる地吹雪も全て止まり目の前の白く輝く剣ヶ峰へ続く稜線、

見たい撮りたいと単純な思い付きで始めた、

およそ二十数年ぶりの大山登山、

初の冬山登山は言葉にならない感動で終える事ができた。

父とは一緒に見られなかった冬の大山!

向こうで自分と同じ趣味に没頭し始めた私を見てニヤついているに違いない。

私にとって大山を見る時、登る時、それはきっと父を思い出している時間なのかもしれない。

昔、好きになれなかった大山、

今はどこよりも大好きな山となりました。

大山頂上(弥山)

優秀賞

優秀賞 shun[photo]さんの作品「大山の冬支度」

「大山の冬支度」shun[photo]さん

初めて見た時、見る角度によって形を変えることに、素直に驚いた。

立つ場所が変わるだけで、時間が少しずれるだけで、さっきまでとは違う輪郭をつくる。

同じ山を見ているはずなのに、同じかたちは、どこにもなかった。

季節が巡れば、光も、空気も、景色も、静かに入れ替わる。

夕日も朝日も、山に触れるように差し込み、言葉より先に、その存在を教えてくる。

同じ場所に何度立っても、同じ景色には一度も出会えない。それはきっと、山だけのせいじゃない。

あの冬、ここに来た時、隣にいたのは友達だった。

気づけば、同じ景色を見ながら、呼び方だけが変わっていた。

説明はいらない。

そこに在るだけで、すべてが十分だと思えた。

だから今日も、理由を探さずに、また足が向いてしまう。

鳥取県日野郡江府町御机 

優秀賞 山根 大樹さんの作品「蛍舞う星夜の田圃」

「蛍舞う星夜の田圃」山根 大樹さん

カメラを持ち始めてから蛍の撮影に初めて訪れたこの地。

辺り一面に田んぼが広がり自然豊かで静寂なここは、

光害も少なく満点の星空を見ることができます。

そして四季折々、移りゆく景色と雄大な大山北壁を共に

見ることができて癒される場所です。

この地から見る大山は自分にとって色んな経験や思い出を

くれた大切な場所です。

鳥取県西伯郡大山町鈑戸

優秀賞 きゅうりさんの作品「聖地・大山へ夫婦ツーリング」

「聖地・大山へ夫婦ツーリング」きゅうりさん

学生時代に恋人がバイクの免許を取った。
私は特に気にしていなかったが、免許取得からしばらく経ったある日、彼にバイクの後ろに乗ってみないかと誘われた。
初めてのタンデムツーリングは大山へ。すれ違うライダーにペコリとお辞儀をされ、何が何だか分からずも、バイクとすれ違うたびにお辞儀をしてツーリングを楽しんだ。この日の帰り道、私は彼に「私いつかバイクの免許を取る」と伝えた。

それから数年後、私は社会人となり生まれ育った鳥取を離れた。私はバイクの免許を取得し、バイクがすれ違う際のお辞儀は、『ヤエー』という相手の安全を願うものだと知る。
そして遂に、学生時代に恋人とバイク1台で訪れた大山へ、今は夫婦となりバイク2台で訪れる。私たちはすれ違う相手へヤエーをしながら大山を駆ける。
大山は私たちの原点であり頂点だ。

大山展望所(鳥取県西伯郡伯耆町大内)

優秀賞 たぴさんの作品「全身で味わう大山」

「全身で味わう大山」たぴさん

わたしにとっての大山は、わたしと家族を静かに見守ってくれる場所です。
慌ただしい朝も、くたびれた夕方も、毎日コロコロ変わる日常の中に、ふと顔を上げれば、いつも同じようにそこにある。特別なことはなくても、【大山】の存在だけで心が落ち着ちつきます。
子どもたちの成長も、家族の笑顔も変わらない姿で、日々を包み込むように見守ってくれる。わたし達がどこへ進んでも、「ここに帰っておいで」「おかえり。」と語りかけてくれる、大切な場所です。

鳥取県西伯郡伯耆町大山まきばみるくの里

優秀賞 nakashi726さんの作品「冬の大山」

「冬の大山」nakashi726さん

いつかこの目で見て、写真に残すと心に決めていた雪山の大山。
最初の挑戦は2016年の1月、残念ながら猛吹雪に阻まれ数メートル先の友人すら見えない状態での登山をして避難小屋で一夜を明かし断念して下山した。
それから数年は恐怖もあり雪山登山は控えていたが想いは消えず、2022年に再度挑戦。
一緒に登ったカメラ仲間達の協力があって無事登頂できた。そして山頂で迎える二度目の朝、ついに白銀の稜線が静かに現れた。
圧倒的なスケール感と、雪に吸い込まれるような静寂。夜明けとともに光は刻一刻と表情を変え、山は生き物のように呼吸しているようだった。
その一瞬を逃すまいと、寒さも忘れ、ただ無我夢中でシャッターを切り続けた。
積み重ねた時間と想いが、この一枚に身を結んだ。

大山頂上(弥山)

総評

このたびは『私の大山エッセイフォトコンテスト』へたくさんのご応募をいただき、心より御礼申し上げます。
これまで弊社でもフォトコンテストを実施してきましたが、今回のような、1枚の写真だけでなく、そこに込められた人への想いや対象となる大山への想いをエッセイとして添えていただくという試みは初めてのことでした。
そのきっかけは東西南北いろいろな角度から見ることができる大山の存在でした。
単独峰だからこそ可能となる"その場所”から見える大山は、様々な山容を誇り、見る人次第で正面が変わります。
まさに「私だけの大山」
そこに皆さんがどのような思いを込められているのか、
自分もそこにいるような気持ちで拝見しました。
そしてその想いの強さ・種類の多さにこの企画をやって良かったなという嬉しさがこみ上げてきました。
みなさんもぜひ他者の視点でいろいろな大山を感じていただければと思います。

主催者
 一般社団法人 大山観光局 事務局長 車浩一

今回審査する側として意識したのが、その一枚の作品にどれだけの「想い」が隠されているのか。単に‘’良い‘’写真というだけでなく、そこにある背景をどう伝えているのかを興味深く拝見させていただきました。まさに「写真は語る」です。そんな中今回入選された作品は、どれも大山への愛情にあふれ、そこを舞台に家族の絆や友情、親子関係などを表現した、思わず聞いていて笑顔になる、また胸が熱くなる作品ばかり。エッセイを追加するだけで、さらに一枚の写真に深みが増したようにも感じました。個人的に、地域活性化の本質は、どれだけその町の誇りを表現できるか。そのための啓蒙活動という点において、「一枚に込められた想い」を追加する今コンテストは非常に有意義なものだったと強く実感しています。

審査員
 東京カメラ部10選 柄木孝志さん

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